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菅原:僕もずっと前、小金井市バスケットボール連盟の講習会で一参加者として5年間くらいバスケをやっていたんですが、やっぱりそこに来るのは現役時代にバリバリにやっていた負けず嫌いの体のデカイ人が多いんですよ。しかも15人も集まっちゃったら、大会の場合、全員出るのも困難、ポジション取りが激しくてね。
もともと連盟の講習会の場合、休み返上して、お金を平等に払ってバスケしに来てるんですよ。上手い人は、やりたいからいったん出たら変わろうとしないし、勝ちに走る…すると試合するごとに、集まるごとに仲が悪くなっていってね・・・・・。チームメイトなのに。「なんでアイツが出るんだよ」っていうふうになっちゃうんですね。せっかく来たのに試合に出れなきゃツマンナイでしょ。で、結局どうなったかというと、連盟の講習会参加者のチームで各種の大会に参加するのは止めようってことになってね。バスケしたい人は、有志で別にチーム作ってエントリーしてくれってことにしたんですよ。
奥村:前の女性チームの話に似てるね。宮崎さんみたいなチームをまとめるコーディネーターがいればね。
菅原:まぁね。土曜に小一時間練習してる分には何の問題もなかったのに、大会!って聞いただけでみんなピリピリしちゃうんですよね。参りましたね。
宮崎:皆それまでのバスケットの環境が違ったわけだし、こだわるところも違うわけだから仕方ないね。若い時と年取ってきてからとでは、同じことでも考え方が変わってきちゃいますよね。バスケに関しちゃ、僕なんか今じゃ体を動かせれば良いと思ってるし、監督的な立場からだと、みんなが個人レベルでは絶対に勝てそうにないと思っているチーム相手に「僕の言うとおりにやってみる?もしかしたら勝てちゃうかもしれないよ」って言って教えてあげて、勝ってしまったような時に“あ〜面白い〜っ”って、相当の喜びや楽しみを感じてしまうものね。
奥村:バスケットの面白さって、名将フィル・ジャクソンの言葉を借りていうと、「NBAの選手でも26歳までにバスケットの本当の面白さを分かるヤツなんて、ごくわずかしかいない」と。26歳という年齢は、たとえば数年間の社会経験をつんだ時期。仕事などで、いったんバスケットから離れてからの時期。練習や鍛えるのも止めた体をもう一度奮起させて、バスケットを再開すると、体は戻らなくても、本格的にやっていた頃はなかった観点でバスケットを見つめなおすことができるんです。そもそもゲームの醍醐味っていうのはいかに頭を使って自分より大きなもの、強いものを倒すかっていうところにあるじゃないですか!そのためには、いくつかの視点で強さ弱さの意味を知っておくべきでもあるんですよ。
宮崎:全くそう、その通り。
奥村:高校までのバスケの実力って概してそれ程大きな差ってないと思うし、強い弱いでしか考えられないのに、そんな尺度で縛られたまんまの状態…ゴルフで言えば100切れないとかね。で、固定観念で、いろいろな可能性をあきらめちゃうんだよね。でも、それでいいのかな?バスケットの奥の深さやいろいろな側面、まだまだあるぞって。
宮崎:そうですね。見方を変えれば全く違う面が見えてくることもありますしね。だから勝ちに走った学生時代のバスケしか知らない、1人の指導者のみに叩き込まれた偏ったバスケット観しか持ち得ずに、「ただ、もう一度バスケをやりたい」と、社会人でバスケットを再開した子達には僕の勉強してきたやり方で、その違う面を見せてやりたいんです。
確かに社会人は体力温存、やりたいんだけどやらない気質があります。でもそこで僕が勉強してきた動きをやらせてみせたら面白みを自らで見出してくる。5対5のチームプレイは2,3年の練習では無理だから、ノーマーク、1対1、1対2のプレイを覚えさせ、「試合は3対3で決めろ!」「5対5になったら守れ!速攻させるな!」「リバウンド取ったら、とにかく走れ」などと理にかなった檄を飛ばしながら、勝てる喜びを身をもって与えてやるんです。やっぱり、スポーツっていうのは本人の頑張りもありますが、指導者、監督によって変わるんですよね。
僕も学生時代、法政工学部のカラーでもあるただ闇雲にひたすらに「走るバスケ」をやらされてきましたから、分かるんですよ、学生バスケの苦しみが。だからこそ、教え方にも細心の配慮を持ってやってきた…でもね、そんな折、高校ではインターハイにも出たくらいの実力を持つある学生に言われたんですよ。「監督は頑張れ!って言うけど、僕もう頑張れない」って。才能も体格も環境も条件全てが揃った中、ましてや同好会を選ぶこともできたにもかかわらず体育会に来てまで、そういうことを僕に言う…急に嫌になっちゃったんですね、大学で教えるのが。だから、卒業生に監督譲って辞めちゃった。
菅原:それが何年前ですか?
宮崎:9年前かな。それ以来、あんまり大学バスケには縁がないな。最後の教え子達も卒業しちゃったしね。(ちょっと、しんみり・・・)
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